今、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会において2018年度の介護保険制度の大幅な改正に向け、今年度中の結論をだすための議論が加速しています。
議論の大きなポイントの1つに、「軽度者」が利用するサービスを保険給付からはずす問題があります。要支援を保険給付からはずしたのに続き、要介護1,要介護2の方々に対してのホームヘルパーによる生活援助(掃除・調理・買い物・など)や通所介護(デイサービス)を保険給付対象外にすることです。それとともに要介護2以下が使用する特殊寝台や車いすなどの福祉用具貸与を全額自己負担とするなどが主な検討項目とされているのです。
介護保険制度では認定申請を行い、要介護認定を受けてサービス利用につながる流れろなりますが、この要介護認定を受けた方々の約65%が要支援・要介護1,要介護2とされています。65%もの方々が検討どおりに利用できなくなることは、介護保険制度の根幹を揺るがすことになります。厚生労働省は、生活援助に関して「知識、技術をそれほど有しない者でもできる内容」と説明し、保険給付からはずす根拠としています。
「軽度者」の生活援助を保険給付からはずし、専門的な視点から支援を受けることから外されることは、介護保険制度の理念である「自立する」ことを困難にするやり方に道理はないといえます。現在、福祉用具貸与の全額自己負担についても約22万を超える反対署名が厚生労働省に届けられたと福祉新聞でも報じられています。福祉用具貸与のサービス縮小と制約とともに負担増加の動きは「介護の重度化」「保険給付の増大」「福祉介護の人材の不足」などに拍車をかけることにつながります。特別養護老人ホームの入所条件を原則要介護3以上にしたことから介護難民により拍車をかけています。そして平成27年度4月の改定により過去最大の規模の引き下げとなった介護保険の報酬引き下げは通所介護・訪問介護を中心にさらなる経営困難と倒産の危機に追い込まれています。
今こそ、介護保険制度の趣旨に戻り、介護を社会で支え続けられる制度により充実させる取り組みを強めていきましょう。


