ブログ

個別記事: 2019年02月03日

千葉県野田市での小学4年生の死亡から考える~なくしたい虐待~

本年1月27日深夜、小学生4年生の栗原心愛さんが自宅浴槽で死亡しました。

2017年7月に、心愛さんの親族が沖縄県糸満市に「父親が娘を恫喝している」と相談。同時に母にも父から配偶者による暴力(DV)があるとの情報が提供されました。

糸満市は、父に家庭訪問を求めたが拒否をされ、その9月に千葉県野田市に家族で転居しました。11月に実施された小学校のアンケートに心愛さんは勇気をふり絞り、「お父さんから暴力を受けています。先生なんとかなりませんか」と回答。千葉県の柏児童相談所が心愛さんを一時保護しました。同年12月27日には、一時保護を解除し親族宅へ心愛さんは行きました。

その間に父は、学校側に面談にて心愛さんが記載したアンケートを見せることを要求。学校側は個人情報を理由にアンケート開示を拒否しました。しかし、父は「心愛さんの同意書」を提示し市教育委員会に要求。最終的には2018年1月12日に市教育委員会はコピーを父に手渡しています。

心愛さんは学校を欠席をしたまま別の野田市立小学校へ転校しました。2018年3月上旬、親族宅から自宅に戻りましたが、心愛さんは欠席。父は学校には「沖縄にいる。1週間程度休む」と伝えた。11日には再度「2月4日まで沖縄、2月4日から学校に行く」と連絡をしています。(経過は、京都新聞本年2月3日朝刊を参考に引用しました。)

いくつか、心愛さんの尊い生命を守るチャンスはありました。あくまでも振り返りだからこそ見えることも多いのですが、この振り返りをすることが心愛さんに報うことであり、同じ過ちを繰り返さないことだろうと思います。

アンケートを市教育委員会はなぜ父にコピーを手渡したのか。個人情報の保護が叫ばれていますが、親権の問題と子供を保護することについて、執拗に開示を求めている父に対応を苦慮したことは想像できます。しかし、虐待事案であり、コピーを手渡すことがより心愛さんを追い込めることが簡単に予測されることであり、何よりも「あなたの秘密を守ります」ことを前提に記載されたアンケート提示は絶対に許されるものではありません。これでは、虐待を受けている子どもたちが安心して書くことができなくなります。

また、児童相談所と学校等との連携に希薄さがより深刻な事態を招いたともいえます。一度、子どもの訴えがあり、一時分離をした事案であることを考えると、常にモニタリングを行い、学校や地域・児童相談所などと弁護士等の専門家を交えた対応チームにおいて、具体的な対応方針のもと、組織的な対応が不可欠となります。この点でもこの事案においては弱点があったといえます。

子どもは親との関係では、多くの場合弱者となり、抵抗は非常に厳しいのが現実です。子どもを守るのは大人の責任です。 二度とこの痛ましい同じことを繰り返さないこと。これが心愛さんへのでも供養にもなります。「あなたを守れず本当にごめんなさい。」

このページのトップへ

最新の記事

月別アーカイブ

カテゴリー