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個別記事: 2013年01月26日

生活保護制度 特別部会報告を見て

昨年、国会である芸能人の家族が「生活保護」を受給していることを取り上げられ話題となりました。

現在、生活保護利用者の増加を問題視して、生活困窮者への対策が議論されたことが報道されていました。

報道によると「稼働能力があるのにもかかわらず明らかに就労の意思のない者」への対応に「審査の厳格化」を部会報告に盛り込まれた。稼働能力を誰がどのように判断をするのか基準があいまいなままになったままとのこと。生活保護は「経済的な困窮」を条件に無差別・平等に保護を受けることを保障されたものです。憲法25条を根拠にして制定されたものです。

また扶養義務の強化においては、「扶養が支給条件の前提ではない」とされながらも、扶養能力のある親族が扶養を拒否した場合は、「説明責任」も盛り込まれました。あわせて生活保護の利用者に「集中的な就労支援」をするとされています。報告書には一定期間後も就労する目途が立たない場合には、職種や場所も広げることなどを基本として「低賃金」であってもとりあえず就労を強要する危険性があり、逆に「自立」を妨げることにならないか危惧も出ています。

この報告書を読んだ際に非常に悲しい気分になりました。生活保護制度で残念ながら「なぜあの人が」と思えるなどと批判の声を時々耳にすることがあります。過去には確かに不正支給が問題にされたこともあります。確かに不正は許すことはできません。しかし、多くの人が結果的に生活保護を受けざるを得ない状況に追い込まれた方々がほとんどです。生活保護への議論は、現在、少ない年金等で生活されている人たちを見て生活保護の水準を下げていくことや「入口を狭く、締め出しやすく」する意図を感じ、非常に危惧を持ちました。

やはり生活保護は憲法25条に明記されている「生存権」を保障する制度です。最低限度の生活が保障される制度が、「いざというとき」に利用できやすくしておくことは非常に大切なことであると思います。生活保護の水準を下げることは、結果的には労働市場全体にも賃金水準を下げることにも大きな影響を与えることも憂慮されます。「生活保護」が本来の制度の趣旨に添い、適切に「生存権」を体現できる制度に前進することを強く望みたいと思いました。

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