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個別記事: 2015年07月12日

障害者虐待防止といじめ問題

岩手で中学2年男子が今月5日に死亡しました。自殺の可能性が高いと報道され、今朝のニュースでは、死亡した男子の父親が、事実を明確にして欲しいとの訴えから警察に告発したとのこと。今後、警察により事実が究明されるでしょうが、ノートやアンケートにおいて担任の教諭に何度もいじめの苦しさを伝えていたが、その情報は他の教諭らと共有されず、学校全体での対応がなかったとされています。

いじめ・・・これはやはり人権侵害の最たるもの。人を人と尊ぶことをせず、虐待者は罪の意識が薄い傾向が指摘されます。しかし、いじめを受けている者にとり、心身ともに受けた傷は人には理解できない苦痛と恐怖、そして見えない光・・・少年が受けていたであろう心身への傷はどれほどのものか。

障害者虐待といじめには、共通することがいくつかあります。加害者には、罪の意識が薄いこと。虐待防止法では、虐待者も犯罪者とは捉えず、虐待が起こる要因を取り除くことを目的にしていますが、人権侵害には変わりはないようです。

中学2年生の大切な命が守られなかった重い事実をしっかりと受け止めるとともに、私たちは人権に対して感度を常に高める努力をしたいと思います。
以下、私が書いた記事が、7月5日京都新聞に載りました。ご覧下さい。

http://www.kyoto-np.co.jp/fukushi/column/nau/150706.html

(文のみ下記に載せておきます。)

障害者虐待防止法サイン見逃さないで

 「障害者虐待防止法」が2012年10月に施行され、3年を迎えようとしています。先日、下関市の障害者施設で、職員が利用者である知的障害者に虐待を繰り返していたことが報道されました。他にも、虐待事件が次々と報道され、非常に残念です。
 虐待は、「人権侵害の最たるもの」であり、障害者の尊厳を脅かし、自立や社会参加をも妨げます。しかし、虐待は家庭・施設・職場において「いつでもどこででも」起こりうる状況があります。

 なぜ、虐待が「いつでもどこでも」起こりうるのでしょうか。虐待をする人は、障害の特性や対応方法がわからず、虐待をしつけや教育の一環であると、勝手に誤って解釈している場合が多々あります。同時に家族や支援者の支援疲れやストレスなどに端を発して虐待が起こり、家族・支援者が虐待をしている自覚のない事も特徴と言えます。一方、被害を受ける障害者も、虐待を受けている自覚が無く、苦しみやつらさを訴える事ができず、さらに虐待される恐怖心から抵抗ができないことも多くあります。

 ではなぜ、この状況を周りの第三者は気付く事ができないのでしょうか。虐待の多くは、家庭や施設・職場など閉ざされた空間で起こります。また、家族や職員など支援する人達が虐待をするはずがないと考えたり、支援の方法に疑問を抱いても結果的に見て見ぬふりをしていることが考えられます。どうすれば虐待を早期発見し防止をすることができるのでしょうか。それは周りの人たちがもう少し注意深く観察したり、虐待のサインを見逃さないように心がけることで未然に防止できます。虐待の種別は別表通りでさまざまなサインがあります。虐待防止法では、虐待者を犯罪者とは考えず、障害者の人権を守り、虐待が起こる原因を取り除くことを目指しています。被害の拡大を防ぐためには、早期発見・早期対応が大切なのです。しかし、まだ表面化していない虐待があるかもしれません。もし、「虐待かも?」と思えば、お近くの市町村の窓口などへ是非、通報・ご相談ください。通報・相談した方の情報や秘密は固く守られます。障害者が安心して暮らせる社会は誰もが安心して暮らせる社会と言えます。みんなで虐待に対する意識や理解を高めて行きましょう。

(社会福祉士・精神保健福祉士 今井昭二)

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