8月末、東北地方から北海道に多大な被害を与えた台風10号。岩手県岩泉町の高齢者グループホーム楽ん楽んでは、入居者9名が死亡する災害が起こりました。
このグループホームでは、同じ法人の老人保健施設が隣にありましたがグループホームから避難をせず残念ながら全員が犠牲となりました。グループホームの管理者は1名在中していましたが、9名を少し高いところに避難させるのが精一杯。管理者も流れ込んできた濁流にのまれてしまいました。
当日、昼過ぎには避難準備の情報が出されていました。しかし、グループホーム付近に流れる川は大きく増水は見られなかった。関係者によるとこのグループホームは、昼間の職員は2~3人いましたが、濁流が襲われたのは夜勤帯で職員は女性所長一人しかいなかったとのことです。午後6時を住んだころ、この施設に浸水が流れはじめ隙間などにバスタオルなどを詰めるなどの対応をし、9人の入居者を高いところにあげようとベッドに移すとともに、隣にある老人保健施設へ助けの電話をしたとのことです。しかし、停電でつながらず、携帯電話も圏外となり結局使用できませんでした。
もし、この浸水が始まった時期に、所長が隣の老健施設に助けを求めに行くなどの行動がなぜできなかったのか。疑問がどうしても残ります。しかし、グループホームは、夜間は一人体制であることが多いのが現状。とっさの事態にどこまで対応ができるのか。やはり限界があることが予測されます。今回の事故は、夜間体制の脆弱性に加え、非常時の対応方法や隣にある施設との連携の取り方、そしてなによりも「避難準備」が出されている状況での法人・施設でどのように対応をするかという細かい想定と訓練等に不十分さがあったのかもしれません。
二度と同じ犠牲者を出さないためにできること。
日常から具体的な訓練や想定をしておかないと、非常時には機能しないこと。これは、東北での大震災や熊本地震からも指摘されていることです。責任者の判断はもちろんですが、近隣住民や施設等との協力態勢づくりなどを作ることが求められています。二度と犠牲者を出さないことを祈り、教訓にするため、早急な検証を求めていきたいと思います。犠牲者の方々に心からご冥福をお祈りいたします。そして被災者の方々に心からのお見舞いを申し上げます。私たちができる支援も同時に考えたいと思います。


