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個別記事: 2021年10月30日

精神科入院 隔離や拘束等8割が苦痛体験~日弁連調査から~

日本弁護士連合会は精神科病院に入院をしたことのある人のうち、約8割の人が入院中に隔離や身体拘束などにより苦痛な体験をしているとの調査結果を公表しました。(本年10月26日京都新聞)調査によると入院をした当事者は「人として扱われず、人生が変わった」とか、「治療の名目にてやりたい放題され、地獄のようだった」などの悲痛な訴えが寄せられたとのこと。

調査は、昨年の6月から12月に実施され、精神科に入院経験がある全国1040名に聞きまとめたもの。設問では、入院中に「悲しい」「つらい」「悔しい」という体験があったかを尋ねると、全体の81%が「ある」と回答したもの。苦痛であった内容を尋ねると、外側から施錠された保護室への隔離を挙げた人が17%、入院の長期化13%、身体拘束が12%でした。

経験をした処遇については、全体の61%が閉鎖病棟を挙げ、保護室48%、身体拘束は26%あった。また、本人は親や看護師等から「もう人並みの生活はないと思ってください」「今までの生活を諦めなさい」と言われたとの回答でした。

この記事を拝読した時、私が思い出したのは、一時期私が保佐人として支援をしたHさん。Hさんは統合失調症で入退院を繰り返されていましたが、状態が少し落ち着くと自宅である市営住宅で過ごされていました。しかし、精神的な波が大きく近隣とのトラブルが起こり、地域の苦情にて入院を迫られたりしていました。保健所や社協、精神科病院等と話し合いを持ち本人を取り巻く現状の認識を一致させ、支援方向を確認し地域でトラブルが生じないよう地域の方々にも協力を依頼し、病院とも密に連携を図り自宅での生活を継続させる支援を継続しました。しかし、病状は少し悪化し、壁を叩き叫ぶ状況が続き、近隣からの苦情も増したことから本人と相談。本人から「入院をしたい」との切実な訴えがあり任意入院となりました。そして本人はしばらく閉鎖病棟に入院しました。この場面に接した際、保佐人として近隣からの苦情から逃れられる気持ちとともに、本人の今後の生活においてまた病状が安定し自宅に戻れるだろうかと不安になりました。その後、閉鎖病棟を出て一般病棟にて過ごされましたが、「閉鎖病棟はいやだ」との声を本人が話されていたこと。本人が望んだ入院であるが一方で精神的苦痛は感じておられたのかもしれません。

改めて精神科入院でのあり方に私たちも注視していく必要性を痛感したのです。皆様はどうお考えになられますか。

 

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