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個別記事: 2019年03月03日

「窃盗症(クレプトマニア)」への支援体制が急務

高齢者や障害者の虐待防止法では、市町村が責任対応の主体であると明記されています。その虐待事案の中には、金銭的な理由ではなく「衝動的に万引きを繰り返してしまう」という高齢者・障害者本人の事例に出会うことが増えています。「窃盗症」は精神疾患であり、最近急速に診断される事案は増えており、その診断された方が窃盗にて逮捕され、また繰り返すことが大きな課題とされています。

 精神疾患として支援する専門家においては、「犯罪としての刑事罰ではなく、福祉や医療等の多重的な支援体制が不可欠」と指摘されています。

 京都新聞の昨年8月20日の記事では、京都家裁で当時公判中の男性(64歳)の言葉で「スリルと達成感、罪悪感もある。でも一番はさみしさを紛らわすため。」と万引きをした当時の心境を語ったことを紹介している。この男性は長年にわたり母の介護を担ったが母の死亡を契機にうつ病とアルコール依存症を患い、約3年前から書籍を万引きすることを繰り返し、今まで計3回逮捕され、精神科にて「窃盗症」と診断がされたとのこと。

 その後弁護士等の紹介で保釈されている間に窃盗症の自助団体に参加していたが、執行猶予判決が出たわずか3日後に再び万引きし逮捕された状況。現在は群馬県にある窃盗症専門病院に入院をし裁判を受けているとのこと。

 国内では、窃盗症を専門に治療する医療機関は少なく、関西においても大阪のクリニックが専門にしているがまだまだ治療対象とみて対応されることが少ない。薬物依存症や性犯罪等とは違い、刑務所での矯正プログラムも現状では開発されていない。

記事には刑事司法(犯罪学)に詳しい龍谷大学法学部の浜井浩一教授の言葉として「万引きが病的に常習化した人を刑務所に送っても何も解決にもならない。罰金刑や執行猶予にした上で、適切な治療や福祉的支援につなげることが重要。その人にある問題を総合的に解決していく仕組みが必要」と指摘をしている。

 窃盗という行為は決して許される行為ではありません。しかし、その行為を繰り返している要因を医療や福祉の支援の中で見極め、適切に総合的に取り組みを進めて本人が安心して生活を送れる環境づくりが求められている。この課題を私達自身の問題としてしっかりうけてめていきたい。

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