http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002rd8k.html (厚生労働省ホームページのアドレスです)
12月21日厚生労働省のホームページに「表題」の調査結果が公表されました。この調査の目的は、対応状況を把握することにより、より効果的な施策の検討を行う基礎資料を得ることを目的とされています。
養介護施設従事者による高齢者虐待に関する相談・通報件数は、687件で昨年度より181件増加しました。内訳は、「当該施設職員」が30.4%、「家族・親族」が27.2%、「当該施設元職員」14.8%となっています。
「事実確認を行った事例」は606件。うち虐待の「事実が認められた事例」は144件。虐待の「事実が認められなかった事例」が261件。虐待のの「判断に至らなかった事例」は201件であったとされています。
虐待の事実が認められた事例で施設・事業所の種別では、「特別養護老人ホーム」30%、「グループホーム」が24%、「有料老人ホーム」12%と続いています。虐待の種別・類型では「身体的虐待」が74%で、「心理的虐待」37.1%、「介護等放棄」が10.6%となっています。
被虐待高齢者の性別では、「女性」が66.2%。 年齢別では、「85~89歳」が20%、「80~84歳」は20.4%「75~79歳」14.6%でした。
要介護状態区分では、「要介護4」が23.8%、「要介護5」は23.5%、「要介護3」は22%とされており、合わせて「要介護3以上」が約70%をしめています。
一方、虐待者の「年齢」では「30歳未満」は27.6%、「30~39歳」が14.9%で「40歳未満」は4割強を占めている。職種は「介護職員」が81.2%で「看護職員」は5%、「施設長」が3.9%となっています。
以上が「養介護施設」における虐待の主なデータですが、ここでわかることは、通報に対して、事実が認められたのは、全体の20.9%。で認められなかった事例は、37.9%、判断に至らなかったのが、29.2%となります。「通報」がされても、まずは、通報の信ぴょう性を確認する必要があること。通報は「内部通報」が大きな割合を占めていますが、時に「うらみ」等、事実ではなく、感情的人間関係も含んだものもあるようです。あわせて気になったのは、「内部通報」が具体的な内容であってもたとえば「グループホーム」のように、認知症の方々に面接をしても証言を得ることは簡単ではないことを感じます。もし、施設が組織的に「隠ぺい」する立場に立ったとして、これを切り崩して、事実を確認していくには、かなりの「事前準備」と熟練した職員の養成など計画的、周到な段取りがいることがうかがえます。そのことが「判断には至らなかった」という数字に表れている気がします。
虐待は「人権侵害」の最たるもの。絶対に「虐待」を許すことはできません。しかし、現場の労働条件はかなり厳しい現実はあります。いかに労働条件を改善しながら、「虐待」に対する研修と、「人権」に対する感度を高めていく仕組みづくりは不可欠です。施設で頑張る多くの職員は、とても誠実に仕事をしています。この職員が安定した心身状態を支える仕組み(労働条件の改善)も、国の仕組みも含めて、ぜひ検討してほしいと切に願います。同時に働く人ひとりひとりのレベル向上、研修を受けていく仕組みづくりなどに取り組んでいきたいなどといろいろ考えさせてもらった報告書でした。「養護者による虐待」についても報告されていますが、また後日報告したいと思います。


